フィリピン女性に騙されたマヌケな男の日記 ⑤出会い

10月のある日、仕事終わりに待ち合せた店に行くと
松本マリサが待っていた。
 
僕は挨拶もそこそこに仕事の愚痴をぶちまけた。

松本マリサは聞いてはくれていた。
けれどもずっとスマホをいじっていた。

スマホから全く視線を離すことなく
僕の話をうんうんと頷きながら聞いていた。

今思えば人が話をしているときに
スマホをいじりながら聞いてるんだから
話の内容なんて頭に入ってないだろう。
なんて失礼な奴なんだ！と思うのだが
その時の僕はとにかく話を聞いてもらいたかった。
 
専門的な仕事の内容や、日本の社会事情など
奴が知っている訳もないのだが聞いてもらえればそれで良かった。
理解などしているわけないのだが
話を聞いてくれてるだけで僕は満足だったのかもしれない。

聞いてないけれど話を聞いてもらえた僕は満足して帰宅した。

そして
「人の話を聞いてくれるなんて何て優しくて良い子なんだろう・・・」
と大きな勘違いをしてしまい
松本マリサを気になり始めた。

しかしそのあと、また松本マリサからの連絡が途絶えた。
気になり始めていた僕は

彼女のフェイスブックにコメントをしてしまったのだ。

松本マリサが自撮りをしている写真が載っていた。
ベッドの上に寝そべっている写真だった。

僕はその写真に完全にイカれてしまった。

そしてその写真に

「So elegant！！！」

と書いてしまったのだった。

あのときの自分に会えたら殺してやりたい・・・

そしてマリサからの返事に気を良くした僕は
次の行動に移してしまったのだった。

つづく